気分改善のためのアドバイス
気分が落ち込んでつらい時、苦しい時、早く楽になりたい!と思うものです。焦らずに、一歩一歩、効果のあることを実行していきましょう。 一度つらい状態になると、気分が良くなることが不可能に思えることがあるかもしれません。でも、場合によっては小さなことが、気分を変えるきっかけになります。
メンタルヘルスの問題を抱えてている場合でも、日常的にやることで、気分の浮き沈みを軽減できることもあります。以下の方法、考え方は、セラピーを受けている方にも、ネガティブな感情のパターンを変える相乗効果がある方法としておすすめしています。
1. 深呼吸をして、心を落ち着ける
私たちには心を落ち着ける力があるのですが、方法を知らなかったり、あまりにつらくてただただ自分の感情に圧倒されたりすることも多いものです。そのようなわけで、セラピストという心のガイドの役目をする人に、導いてもらわなくてはいけないことがあります。でも、究極的には、力はクライアントの中に眠っています。 一番簡単で心身の健康増進につながるのは、深い腹式呼吸です。特に吐く息をゆっくりと、長くしましょう。息が整えば、心も静かに、穏やかになっていきます。すぐにうまくいかなくても、根気よくやっていくと、必ず良い結果が出ます。
2. 体を動かす
とにかく体を動かしましょう!血行をよくし、体のエネルギーを巡回させましょう! 現在アメリカでは、うつには運動が大変有効であるという見方が、数々の臨床実験の好ましい結果とともに定着しています。抗鬱剤より良い結果がある場合も多く報告されているので、クライアントが定期的に運動しているか、セラピストが必ずチェックするのが常となっています。 運動している間は、あまりものを考えないということも利点の一つです。なぜなら、気分が落ち込んでいたり、不安があったりすると、そのネガティブにパターン化された思考が、壊れたレコードのように切れ目なく回り続けるからです。 体を動かすことで、気分をすっきりさせると、考えも多少すっきりとしてくるものです。 落ち込むと、動きたい気もなかなか起きないものですが、運動の効果を理解して、散歩などの軽いものからはじめたらよいでしょう。
3. 自然に親しむ
植物や土にふれたり、自然の豊かな場所を歩いたりすることで、心が大きくなるような気がします。悩みとだけつながっていた自己が、自然の一部となり、浄化されるような感じがするかもしれません。ある意味では、人間の苦しみは、自然から切り離されて起こるともいえるでしょう。 人によっては、草むしりでストレスを発散する人もいます。雑草を取り除き、庭がきれいになるのが快感なのかもしれません。5. 他人と比べない
世界中に一人としてあなたと同じ人間はいません。そのユニークさと貴重さを認めてあげてください。比べること自体、あまり意味のないものです。比べたら、いくらでも比較の対象は見つかりますから、きりがありません。比べて気分が落ち込むより、自分らしくして、生き生きとしている方がいいですよね。 世の中には、メディアを通して「○○じゃないといけない!」というメッセージが多く流れています。こういったものはファッションと同じく、流行みたいなものなので、あまり振り回されないように心がけたほうがよいです。それよりも、自分の心をみつめ、自分らしさを知り、よい選択をするように心がけてください。 また、社会、家庭で、「こうあるべき」という厳格な基準があると、それに当てはまらない時に自分の価値がないかのように感じるかもしれません。しかし、そのような基準は相対的なもので、絶対的なものではないので、自分のパワーを与えないようにしましょう。4. 自分を客観的に見つめる
一歩離れて自分を見てみましょう。批判的になるのではなく、愛情をもって見つめてみるのです。自分には、何が必要なのでしょうか。客観的になることで、自分をよりよく理解することができます。 精神的におかしいのか、病気なのか、と思う前に、自分の苦しみ、つらさをわかってあげてください。そして、傷ついているなら温かい言葉をかけてあげてください。厳しく裁いてしまっては、逆効果です。これだけでも癒しになります。そして、癒されると、心の症状はプレッシャーが解け、軽くなってきます。6. 自分の感情に注意を向ける
感情を持つことはごく自然なこと。それを押し殺すことは、抑圧なので、うつなどにつながります。静かに自分の感情を見つめてください。自分で自分の感情を認めてあげることが大切なのです。認めて、そこにいていいよ、と自分の感情に言ってあげてください。 でも、感情があまりに激しくなりすぎたら、呼吸を整えたりして心を落ち着ける必要があります。大きな感情というのは大変エネルギーを消費するものなのです。時には泣いたり、感情を表現したりすることで、感情を解き放つこともできますが、毎日泣いたりしていては心も体も持ちません。こういうときには、気分を変えなくてはいけないと理解し、気分がよくなるような健康的な活動を見つけるのが肝心です。7. 感謝できるもの、喜べるものを見つける
どんなに小さなことでもいいですから、感謝の気持ちを持ってみましょう。そうすることで、悩み中心の思考・視点から、すでに自分が持っているものを慈しむ考え方に変わり、ネガティブなのパターンも改善されてくるかもしれません。 ただ、気を付けなくてはいけないのは、無理に感謝の心を持とうとか、自分は感謝の気持ちが足りないと思いつめ、ストレスになってしまうこと。そして、そのようにアドバイスしているわけでもありません。例えば、道端に小さな花が咲いていて、目を楽しましてくれたら、「そこにいてくれてありがとう!」という気持ちになってみる、というようなことです。小さなことで喜べたら、人生の中の喜びは大きくなっていきますね。あまりにも苦しみが長く続いたり、うつ、トラウマ、パニックなどのように心の症状が強い時は、気分をよくする方法がなかなか実行できないこともあります。また、心の問題解決にはにはしっかりした臨床的なアプローチで感情を解放し、自分の心を養っていくことが必要なこともあります。セラピーでは、症状解消に特化した様々な技法があり、短期間で解消できる場合もありますから、ぜひ試してみてください。