よい(肯定的)思考を育むには 2

よい思考を育むには2 心・感情

1. よい思考は心の道しるべ

自分の心がどのように働いているか知る以前は、すべてが多かれ少なかれ自動的に心の中で起こる状態です。

今まで経験してきた中で無意識に取り込んできた思い・感情・考えの集大成が、多かれ少なかれ現在の思考パターンをつくり、心を形成しています。そして、その混沌とした中から、状況がトリガーとなって心を刺激し、ランダムに考えが放出されるような感じです。そして考えは感情を呼び、様々な心の状態を作り出します。

その中で、よい思考は、心がどのような方向へ向いていくかの道しるべとなります。心の道しるべは、行動の指標ともなります。

2. よい思いを紙に書き出し、イメージする

自分が信じていきたい、こういうふうになっていきたい、と思うことを紙に書いてみましょう。紙に書いて、目のつくところに置いておきます。声に出していってみましょう。

一日何回かその言葉が書いてある紙をみたり、心の中で繰り返してみましょう。そのようになった自分をイメージして、その感覚にひたってみましょう。これが自分を変えていくブループリントになります。

このようにして、言葉を繰り返し、言ったり、見たり、感じたりすることで、よい思考が強まっていきます。少しずつ潜在意識に浸透していき、自分の思考の一部となっていきます。

家族や周りの人からネガティブなことを言われ続け、いつのまにか潜在意識に浸透し、自分の思考の一部になるのとまったく同じ過程です。今度は同じ方法で自分で意識的にポジティブな考えの種をまいていくということなのです。

その言葉を思い出す機会が増えたり、その言葉にもとづいた行動も徐々に可能になってきます。

心理療法ではさまざまな技法で心を癒すことで、自然に心がよい方向へ向かうようになります。これもよい思考を育てることになります。心が傷ついたり、不安定な状態のままだと、思考はどうしてもそれを反映するものになっていくからです。

3. あたたかい目で自分の心を見つめる

自分の心を、批判的ではなく、あたたかい目で見つめると、次第に何が自分に必要か、どう変わっていくのがいいのかわかってくるようになります。私たちにはそのような能力がもともと備わっています。

反対にいつも批判していたり、常に自分を痛めつけるような考え方をすると、心の力は弱ってきて、ポジティブな思考をする力さえなくなってきてしまいます。自分のパワー自体が弱まってしまうからです。

その結果、自分のパターンを変えることがかえって難しくなり、「ネガティブな私」が定着していきます。定着すればするほど、「変わらないだろう」という未来予測をするようになります。

反対に、今のあるがままの自分を受け入れ、愛を持って客観的に見つめると、変化も可能になってきます。により、自分の心をはぐくむことができるからです。つまり、肯定的思考のよい土壌を作ってくれるのです。

4. 感情を癒すことはよい(肯定的)思考につながる

心が傷ついていたり、不安定な状態のままだと、思考はどうしてもそれを反映するものになりがちです。傷が深いと、肯定的なことをはねのけるかのように反発して受け付けないことがあります。水が油ではじかれるように浸透しないのです。これがポジティブ思考がうまくいかない時の主な原因の一つといえるでしょう。

過去のつらい経験に対する感情を解き放ち、心を癒すことで、自然に心がよい方向へ向かうようになります。なぜなら、経験と感情・思考は密接につながっているからです。

感情が解き放たれた時、私たちの心は、ほっとし、安心した状態に落ち着きます。そして、安心感は自然と楽観的な思考を呼びます。この安心感にアクセスするのが心にとって何よりの栄養です。

実際にセラピーでも、始めのうちは「よくなる」「自分には強さがある」などのことが信じられない、感じられない、と思われる方が多いのです。しかし、トラウマが癒され、不安や悲しみ、怒りが少なくなってくると、自然と肯定的な気持ちが自分の心ににじみ出てきます。クライアントがそうなったときに、肯定的な考えを強くするような方法をやってもらいます。すると、今度は少しずつ否定的な考えの影響をはねのけることができるようになってきます。


参考記事:
よい(肯定的)思考を育むには 1
腹式呼吸で気分を改善する
トラウマが心に与える影響
ネガティブ思考を止める1つのテクニック
自己嫌悪を克服するために効果的な考え方
感情を手放せない理由
緊張感を解き、心をリラックスさせる方法
自分を裁かない
自分を信じる
ポジティブ思考への持っていき方 1
ポジティブ思考への持っていき方 2

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