感情を開放するにはいろいろな方法があります。その一つがイメージを使った方法です。
ここで言うイメージとは、心の中で想像するイメージです。
普段考えることはあまりないかもしれませんが、私たちは心でいろいろな想像し、それによっていろいろな反応をしています。
その中でも、視覚的イメージの影響は大変強力です。
「百聞は一見にしかず」といわれるように、目で見るものには大きな威力があります。
嫌な物や人を想像すれば、すぐに大きな反応が現れるでしょう。
反対に好きな人や物を想像すれば、全く違う反応をすると思います。
実際に目の前で何かが起こってなくても、私たちは心の中でいろいろな想像をして、
様々な感情を感じているのです。
これを心理療法では効果的に使います。
なぜなら、心の中のイメージを変えると、感じ方も変わってくるからです。
以前の記事で、感情がどんどん風船のようにふくらんでいく、という表現をしました。
このイメージを使ってみましょう。
怒り、悲しみ、心配、嫉妬などのつらい感情が風船の中にこめられていると想像してください。
ここでは具体的なことに関する一つの感情にしぼりましょう。
風船は自分の好きなように想像してください。
はっきりと視覚で想像できなくても構いません。
目の前にそのような風船があるな、という感じで大丈夫です。
今その風船のひもを握っている状態ですが、握っている手を開いていきましょう。
風船は少しずつ上に飛んでいきます。
それと同時に、自分の嫌な感情も少しずつ小さくなっていきます。
風船はだんだんと小さくなり、見えなくなっていきます。
最後には広い空の中の一点となり、消えていくのを想像してください。
この想像がリアルに感じられれば感じられるほど、効果は高くなります。
読んでいるだけだと、「こんな想像だけで気分が変わるのかな」と疑問に思うかもしれません。
簡単にできる人もいるし、想像することが苦手な人もいます。
でも興味とオープンな気持ちさえあれば、少しの訓練で効果が出てくるようになります。
大切なのは自分の想像力をうまく使って、自分のやりやすいように具体的にイメージしていくことです。
こうでなくてはいけないということもないし、うまい下手もありません。
ここでは一つの例として風船を使いましたが、他にもいろいろなイメージやメソッドで感情のワークをすることができます。このやり方がうまくいかなかったとしても、感情を開放できないわけではありません。実際のセラピーでは、クライアントがすでに持っているイメージを使ったり、EFTという感情の開放に効果的な方法を使ったりしてワークしていきます。その場その場に適した方法で、感情に対処していくのが最も効果的です。
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