メンタルヘルス

トラウマとうつの関係 2

2017/02/09

 

トラウマが解消されずに不安な気持ちが続くと、どうしても気分がすっきりせず停滞した感じが心に影を落とすようになります。そして、それがうつにつながることもあります。

ですから、うつ状態の人に関しては、まず「どのようなトラウマがこの人の人生にあっただろうか」と考えます。トラウマと一口に言っても、様々な種類があります。それほど深いトラウマではなくても、短期間に続いたショックな出来事などで調子を崩したりすることもあります。特にトラウマがないように思え、何がうつの原因か自分でピンと来ない場合でも、家族の長年にわたる愛のない言動など、繰り返し起こり、慣れてしまっているような、いわば「慢性化したトラウマ」もあります。

以前大きなトラウマを多く扱うクリニックにいた時、かなりのクライアントがうつ的状態にありました。このような場合、精神病理学的には、「PTSDとうつ」などと両方の診断が下されます。

しかし、前回の記事でも説明しているとおり、トラウマの帰着点としてうつがある(もちろん、すべてのうつがトラウマによるものとは限りません)わけです。二つの病気があると考える必要はありません。複数の病名がつき、それぞれに薬を処方されると、自分がとても複雑な精神状態を抱えているかのように思われ、それ自体が気分を暗くする原因になることもあります。しかし、よく理解すると、実際にはそれほど複雑ではありません。

ちなみに、セラピーでは、とにかく現在の心の症状を軽減する療法をやっていきます。暗い気持ちを和らげる、不安を軽減する、緊張感を少なくするなどをゴールにしていきます。

トラウマの威力が強いと、「不安に思う必要はない」「それほど重く考えなくてもいい」などと言われても、考え方を変えることはなかなかできません。なぜなら、トラウマからきた生理的反応が思考を形作り、駆り立てているのに、考え方だけを改めようとしても効果がないことが多いのです。考えるというのは、それだけでは頭だけでの行為ですので、生理的反応を変えるに至りません。

生理的反応は体の反応、もう少し抽象的な言い方をすれば、エネルギー/気の流れです。

大好きなもの/人をイメージした時、どんな感じがしますか?体がリラックスしたり、あたたかくなったり、よい気持ちがするでしょう。これが生理的反応であり、気がスムーズに動くということです。

反対に大嫌いなもの/人をイメージした時はどうですか?体が硬くなったり、手足が冷たくなったり、胸がしめつけられる、など、ネガティブな反応が出やすいでしょう。つまりエネルギー/気の流れが滞った状態です。

このことでわかるように、イメージは生理的反応に強力に作用します。ですから、イメージを使った療法が心の症状に効果があるのです。

以上、トラウマとうつに関して書きましたが、日常生活の細かいことで、これはトラウマになっただろうか、などと考えすぎるのもよくありません。心理分析のしすぎも心身を緊張させて、不安解消の妨げになることもあります。おおまかなことをとらえて、気持ちをできるだけ楽に保ちましょう。

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プロフィール
羽鳥美香
羽鳥美香
カウンセリング心理学修士号、アメリカ、カリフォルニア州のサイコセラピスト(心理療法士)免許(MFT)を持つ。オンライン(スカイプ・メール)/電話をメインとしたセラピー、コンサルテーションを行っている。
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