“にせ” ポジティブに注意!
多くの人が思考をポジティブにしたいと思っているのではないでしょうか。
そのような本もいろいろあります。
しかし、読んでいる時は勢いで少し啓発されポジティブになっているのだけど、その後なかなかできない、続かない、または効果がみられない、ということも多いのではないでしょうか。
心をポジティブにもっていくために私なりの方法をお話しする前に、まず私が「にせポジティブ」と呼ぶ状態を少し考えてみましょう。
1. 「顔で笑って、心で泣いて」状態になっている
表面的にポジティブに見せているだけで、本当に心がポジティブに向いていず、相当苦労しながらポジティブになろうとけなげにがんばっている状態です。でもこの場合は、自分がつらいということは知っています。
2. 自分の心の状態を完全に無視して、自分は完全にポジティブ思考をしていると思い込んでいる
自分の感情を阻害したり、気づかずにいる状態です。周りから見ると、すごく大変な状況にあり、行動もおかしくなっているのに、本人にはまったく問題意識もネガティブな感情の認識もないという場合。これは心理学的には単なる感情の抑圧ですので、注意が必要です。
「顔で笑って、心で泣いて」状態、と表現してみましたが、ポジティブな考え方と本来の気持ちがお互いに反発し合い、混ざり合わないということです。心がポジティブになれない、またはポジティブなものを 実際には 信じられないのに、無理をしてポジティブなことを考えようとしても、なかなかうまくいかないのです。水と油を無理にまぜようとしているようなものです。
気持ちに向き合う
まず一番大切なのは、自分の気持ちを認めてあげることです。
ポジティブ思考にもっていくのに、どうしてまず自分の気持ちを認めることが必要なのでしょうか。
それは心の反発を少なくし、心が柔らかくなるからです。
悲しいことがあった時、誰かに「その気持ちわかるよ」といわれたら、どんな気がしますか?その一言で慰められ、なんとかがんばれるかも、と思うかもしれません。つまり自然にポジティブな方向に向かうのです。反対に「そんなことなんでもないよ」と否定されたら、ちょっと反発しませんか?その反発のおかげで、より悲しくなってしまうかもしれません。
自分自身にどんなことをいっているか観察してみてください。
人に言われたらうれしいようなこと、「その気持ちわかるよ」と自分を励ましてあげられたら、心が柔らかくなってきます。心が温まってきます。
固い土にはなかなか水がしみこまないかもしれないけど、柔らかい土には水がすぐしみこんでいきます。心も柔らかいと、新しい考え、ポジティブな考えも入りやすくなります。
感謝する、感動する
私たちの生活の中には、感謝したり、感動できる小さなことがたくさんあります。
このようなものを発見できることも、ポジティブ思考につながります。
何も感謝や感動できることがないなどとあきらめないでください。
当たり前のものと思っているすばらしいことは、山ほどあります。
病気を経験すれば、健康をありがたいと思います。
雨の日が続けば、青空はすばらしいと思います。
厳しい冬を経験すれば、春は天国のようです。
紛争の耐えない国の話を聞けば、平和がかけがえのないものに感じられます。
親友が遠くに引っ越してしまったら、楽しく過ごした日々が思い出されます。
失ってから感謝しなくてもいいのです。
朝起きてすぐ、感謝できる当たり前のことをかたっぱしから探して、その気持ちにひたってみましょう。
小さな花が咲いているのを見つけたら、「きれいだな」と心を動かしてみましょう。このような小さなことを扉として、感謝の気持ちに入り込みましょう。
そしてその感動した気持ちをできるだけ長く保ってみてください。この感謝・感動の気持ちに「ひたってみる」「保ってみる」というのが大切です。なぜなら感情をこめる、実際に強く感じる、ということが、”にせポジティブ”の口先だけの状態と違うところなのです。私たちが怒りや悲しみを簡単に増長し、長引かせることができるように、よい感情も増長し、持続することができるのです。ただ訓練されていないだけなのです。
「当たり前のことを感謝して、どうするのだろう?」と思うかもしれません。しかし、感謝の気持ちは愛の気持ちにつながります。そして愛の気持ちは心と体を潤す生命エネルギーです。
このような心のワークは、ポジティブ思考の土壌になっていきます。ネガティブな時はそのような心持ちですべてを見るので、見るものすべてが悪いものに感じられ、悪いものに視線が行きます。少しずつ感謝・感動の見方をすることで、心がポジティブに動きやすくなります。
できたら一日に数回、このようなワークをしてみてください。
次回は、ポジティブ思考への持っていき方2へと続きます。ぜひ最後までお読みください。