不安な状況から自分を守るイメージ法

イメージ療法

 

私たちの生活において、どのように不安に対処していくかということは大変重要な問題です。なぜなら不安を解消できないために、人は間違った道を歩んだり、様々な心身の症状が表れてくる可能性があるからです。

不安には、いつも続いているような状態もあれば、社交不安のように、ある特定の状況下で不安に苛まれるという場合もあります。

セラピーでは、心を苦しめている感情、トラウマを解消・軽減していくことで不安に対処していきます。基本的に、不安な状況が不安でなくなるようにしていきます。しかし、セラピーは毎日できませんから、セッションとセッションの間に、ツール的なものを日常で使ってもらいます。今回はその補助として使える方法をご紹介します。パニック発作や特定の人と会う時の不安、状況的な不安に有効な方法です。

ここでは、イメージを使ってやっていきます。イメージの持つパワフルな力は今までにもお伝えしていますが、うまくいけばかなりよいサポートとなります。人によって特にイメージを使ったワークにひかれないという方もいますが、実は向き不向きはそれほどありません。なぜなら、私たちは皆、心の中でイメージ/心象を抱いており、自分の外のものを見る時も、常にイメージ/外見で判断するからです。また、ビジュアルを正確に、というよりも、「こんな感じ」といった感覚・想像を使えれば十分です。

ガラスの箱のイメージで自分を不安な状況から守る

この人に会うのが怖い、嫌だ、と思うことはありますか?また、苦手な集まりに行くなど、不安に感じる時はありますか?このイメージはそのような時に使ってください。ただ、不安を呼び起こす状況になる前に、前もって自分でやってみる必要があります。不安になってからやると、すでに心身が興奮状態になってしまっているので効果が感じられないかもしれません。

1. ガラスの箱を想像する

やり方は簡単です。まず目をつぶってください。そして、自分がガラスの箱の中に入っている姿を想像してみてください。箱でなくても、円形でもいいし、自分の好きな形でいいです。

ただ、自分が完全に囲まれる形で、透明なものを想像してください。

2. ガラスの箱は嫌な影響を跳ね返す

この箱の中に入っていると、外のものはすべて見えます。しかし、外から聞こえるものはガラスに守られ、威力を持ちません。嫌なことを聞いたとしても、ガラスに跳ね返されます。

嫌な人の近くにいても、その人のネガティブな雰囲気や影響を直接受けず、ワンクッションおく感じです。

不安な状況では私たちは神経過敏となり、小さなトリガーで大きな反応が出てくるのが常です。ここではその反対で、ガラスの箱のイメージがあるために、反応が鈍くなるのです。

3. 最初は目をつぶってやってみる

最初は目をつぶって、イメージして練習しましょう。箱のイメージをつくったら、少しその守られた感覚に浸ってみてください。自分が快適と思えるような感じに箱の雰囲気を想像してみましょう。

そして、徐々に不安を感じる状況や人をまわりに想像してみます。ガラスの箱には入ったままです。いつもより緊張感、不安感が和らぐか試してください。

もし不安がまだ強いなら、もう一度箱にはっきりとフォーカスをして快い安心感を感じてみましょう。その上で再びまわりの状況を想像してみましょう。

4. 実際の不安な状況でやってみる

うまくいったなら、不安な状況の時にやってみてください。この時、目をつぶる必要はありません。ただ、以前にイメージした箱がそこにある、自分が嫌な影響から守られている、箱がその状況の威力を跳ね返す、と想像してください。

実際には、そのような状況や人に会う少し前にガラスの箱をイメージしておいて、それを保ったような状態で苦手な場面に臨む方がよいでしょう。

不安を感じることが多い人は、ぜひトライしてみてください。今まで多くの人が不安時のツールとして役立ててきました。ちょっと緊張する、少し不安、などという場合にこれだけで楽になることもあるかもしれません。

不安が非常に大きい場合は、この方法はあくまで補助となりますので、理想的には状況と不安の連鎖反応を解くワークをしていき、根本的に解決していく必要があります。

どうしてもイメージを使った方法が好きでなかったとしても、他にも方法はたくさんありますので、ぜひ不安解消を諦めないでくださいね。

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