トラウマ、ストレスと緊張感
なかなかリラックスできない場合、心のどこかで緊張感を解いてはいけない、と思っていることがあります。
特に何らかのトラウマや精神的な苦しみを過去に経験していると、緊張感を解いては危ないような気がすることがあります。つまり緊張感–常に気を張り詰めていることが、無意識に自分を守るすべとなっているのです。
このような状態になっているのは、まず体が固くなっていることでわかります。セラピーでも、例えば不安などの問題とともに、首や肩、肩甲骨などが痛かったり、苦しかったりすることがよく報告されます。
ストレスが大きい時も張り詰めた状態に身を置くことが多いでしょう。そして、リラックスしてはいけないような気がするかもしれません。
リラックスすることの重要性
ひとつ心に留めておきたいのは、人の能力が存分に発揮できるのは、実はリラックスしているときである、ということです。
人前であがったり、テストで緊張して、おぼえているはずの事を忘れ、うまくいかなかったという経験は、誰にでもあるでしょう。
恐怖感を感じるような場面でも、あわてずに落ち着くことで、よい対処ができます。
真にリラックスしている状態とは
ここでいうリラックスしている状態というのは、ぼーっとしていたり、だらだらしている状態ではありません。お酒に酔って、まわりで何が起こっているかわからない状態でもありません。
落ち着いていながらも、まわりに気づいている状態です。
よい例が猫です。猫が外を歩いている様子を考えてみましょう。
たいていの猫は堂々とリラックスして歩いています(野生的な猫を想像してみましょう)。でも危険が近づいたり、何か異変のあるような場所では、すぐに逃げるなど状況に応じたすばやい行動ができます。普段びくびくした様子で歩いているわけではありませんが、必要に応じてさっと行動して身を守っています。リラックスしているからこそ、余裕があり、その間にエネルギーを蓄えて、まわりの状況に気を配れるのです。
また、太極拳の大家を知っている人なら、そのリラックスした様子に気づくことでしょう。写真でもそれは見て取れます。心身を緊張させると、エネルギーを消耗し、気の通り道である経絡をブロックしてしまいます。
私たちの心も真にリラックスすると、余裕が生まれます。直感も強くなり、よい判断ができる可能性が大きくなります。緊張感が強いと、自分がすでに知っていることにもアクセスできません。できるはずの行動も緊張で凍り付いてしまいます。
緊張感が解かれると、心のよい資質が自然と出てきます。ですから、日頃から最低でも一日の終わりには、緊張を解く習慣をつけるようにしたいものです。
参考記事:
緊張感を解き、心をリラックスさせる方法
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