心・感情

感情に向き合うメリット

2018/08/04

感情を否定している状態とは?

感情に向き合うのは、勇気のいることです。しかし、とても有意義で、私たちの人生に恩恵をもたらすことでもあります。

怒り、悲しみ、恐れなどの感情は、隠れて悪さをする生き物のようです。

例えば自分の家にネズミがいるとしましょう。わざわざ飼っているネズミではなく、勝手に入ってきてしまったネズミです。時々それが走るような音や鳴き声のようなものを聞きます。そのたびに、ドキッとして、嫌な気分になるけれど、「いや、気のせいだ。この家にネズミのようなものはいない」と否定します。

しかし、それが何回も続きます。そのたびに、「ネズミは存在しない。いるはずがない」と自分に言い聞かせて、心を落ち着けようとします。でも、時々食べ物がかじられてたり、袋が破かれたりしていると、心が暗くなります。「やはり何かいるのだろうか」

少しの間、ネズミの様子を見聞きしないと、もういなくなったかもしれないと思います。でもそんなことはなく、物音は続きます。

「このきれいな家にネズミなんかいるはずがない。気のせいだ」と否定したい気持ちと、「いやもしかしたら、私はネズミがいるようなひどい家に住んでいる人間かもしれない」というネガティブな自己イメージの葛藤がはじまります。そして、ネズミを忘れよう、忘れよう、忘れたいと思えば思うほど、逆に「ネズミ」という考えとそれがもたらす嫌な雰囲気に心が支配されていきます。

わかりやすい比喩かどうかわかりませんが、この「ネズミ」のような存在が私たちの感情なのです。しっかり見つめ、向き合わないと、いつまでもバックグラウンドに居続けるのです。感情を否定し続けていると、「ネズミ」との腐れ縁が長く、長く続いてしまうことになります。

感情に向き合うことは怖くない

家でネズミの問題がある時、解決策は当然ネズミを捕まえて家から出してしまうことです。つまり、ネズミと直接向き合うことです。捕まえてみると、実際には恐ろしいものではありません。外へ離し、自然の中に帰せば、善でも悪でもないただの生き物です。

感情も同じです。向き合ってしまうと、自分の想像していたほど恐ろしいものではありません。感情自体は憎むべきものではありません。家の中のネズミと同じように、持ち続けることに問題があるのです。持ち続けることの方が、恐ろしいのです。

感情は、起こった時点では、単にエネルギーの表現の一つです。このブログの中で便宜上、「ネガティブな感情」という表現をすることがありますが、正確には、「持ち続けるとよくない影響を持つ感情」ということです。

長い間感情を抱えていると、もともとの感情だけではなく、その感情を「長く抱えていることへの怒り」や「持っている自分に対する怒り」、そして、それらから形成される「絶望感」「自己不信」「罪悪感」なども微妙に加わったりするので、だんだんと複雑になり、人の精神を暗くしていきます。まさに、多産なネズミがどんどん子供を産んでいくかのごとくです。

一度しっかり感情と向き合うと、どれだけ自分がその感情を常時持ち続けていたか、どれだけ心がその感情にさいなまれ、自分の行動や人生観に影響を受けてきたか、如実にわかるようになります。頭での理解ではなく、経験として、はっきりわかるものです。心理学の本を読んで勉強しなくても、自分の感覚を通して実感できるものです。

反対に、いくら心理学の理論だけを理解しても、自分で癒しの体験をしてみないとあまり意味がありません。ガイドブックを読んで行った気になっているようなものです。実際にその土地を訪れてみれば、何の知識がなくでも、自分で「わかった」と思えるでしょう。

感情を開放していくプロセス

このように自分の感情に向き合い始めると、「感情を開放し、手放していけば、自分が楽になる、ネガティブな精神状態のほとんどが改善・解消できる」という確信がだんだん芽生えていきます。すると、「ネズミたち」をどんどん家の外に返してあげたい気持ちに、自然になります。

長く感情を持ち続けていると複雑になっていく、といいましたが、一つ一つの感情を手放していくプロセス自体はシンプルで、難しいものではありません。

あちこちこんがらかった毛糸玉を解きほどくには、ただむやみやたらに引っ張っただけではあまり効果がありません。どこから結び目を解いたらいいのか、いろいろな方向から見てみて、順番に解きほぐしていかなくてはなりませんね。

それと同じように、精神的な問題が絡まり合い、心が重く、難しく感じる場合でも、心をゆるめていく順番を見定めて一つ一つ対処していけば、着実に楽になっていくのです。このようにガイドするのがセラピストの役割です。

苦しい精神状態に慣れてしまうとそれが普通に思えてしまいますが、多くのことは解決できるのです。解決できないだろう、と思うこと自体が人を虚無的にし、気分を重くします。解決できるはず、という信念を、辛い中少しでも持ち、癒しにのぞむと、必ず道は開かれます。

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プロフィール
羽鳥美香
羽鳥美香
カウンセリング心理学修士号、アメリカ、カリフォルニア州のサイコセラピスト(心理療法士)免許(MFT)を持つ。オンライン(スカイプ・メール)/電話をメインとしたセラピー、コンサルテーションを行っている。
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