メンタルヘルス 心・感情

感情の”荷物”を捨てよう

2018/05/20

感情の「荷物」とは?

私たちの心には、感情の「荷物」がたくさんあります。

これらは、心の傷や、鬱屈した感情ー怒り、悲しみ、後悔ーなどです。心が「重い」と感じるのは、このような「荷物」がたくさんあるからです。

心がどんよりしていたら、自分の心に聞いてみましょう。何が自分を苦しめているのか。何が自分を不安にさせているのか。何が自分が生き生きとするのを阻んでいるのか。

問いかけると、たいてい返ってくるものです。何かしら理由があるものです。

ただ、あまりにも感情を押し殺していた期間が長くなると、混乱してよくわからなくなってしまうことはあります。また、感情を感じてはいけない、という無意識の禁止を自分にかけていると、感じられないこともあります。

感情の「荷物」を捨てるメリット

この「荷物」がたくさんあればあるほど、心の動作は必然的に重くなります。重い荷物を抱えながら行動しようとするのと同じで、素早い、臨機応変な対応ができなくなってしまいます。そして、捨て去ることができればできるほど、心は健康になり、輝いてきます。

「心の中の荷物がたくさんある」ということは、部屋が必要のないもので溢れている状態と同じです。物がありすぎれば、部屋にスムーズに出入りしたり、心地よくくつろぎ、楽しむことはできなくなってしまいます。部屋にいるだけでイライラしてしまうかもしれませんね。つまり、部屋としての本来の機能が使えなくなってしまいます。

私たちは常に外から何かを得よう、得ようとする傾向にあります。しかし、ほとんどの場合、心に本当に必要なのは、「取り除く」「捨てる」ことです。そうすると、よい資質が自らあらわれてきます。

感情の「荷物」に支配されるとどうなる?

心の荷物は、物質というより、生き物のようなところがあり、物を捨てるように、簡単に、機械的にはできません。捨てたと思っても戻ってきてしまったり、なくなったと思っても無意識の領域に隠れていたりして、陰で私たちを操ることもあります。

例えば、トラウマから感じた恐怖感や感情問題は、「私には悪い事ばかりが起こる」「人は恐ろしい」「私は人に愛されない/理解されない」などの固定観念をつくり、その観念というフィルターを通して見た、独自のネガティブな世界観を形成するかもしれません。また、親との問題があれば、知らず知らずのうちに、その親と似た性質を持つ人に親への怒りを投影し反発してしまうのも、よくあることです。

一度このように確立してしまった固定観念や世界観は、考えを変えようとしても容易に変えられないものです。なぜなら、その固定観念が作られる理由となった感情問題が解決されていないからです。

ですから、自分の考え方・行動を変えよう、変えよう、としても努力の割にはあまり変化がないことが多いのです。

逆に、感情問題やトラウマを解消してしまうと、ネガティブな固定観念と行動パターンは一緒に崩壊しまうことが多いのです。なぜなら、固定観念を支えている問題がなくなってしまうからです。

終わっていない感情問題 “unfinished business”

セラピーやごく一般の会話で使われる英語に、unfinished business (終わっていない、解決されていない感情的事柄)という言葉があります。ここでの「ビジネス」は仕事ではなく、事柄、事項という意味です。心のどこかでわだかまりになっている、過去の事なのに、まだ自分の胸がうずくような事柄ということです。

過去の出来事が、「終わった」かどうかは、基本的に、現在の自分のリアクションでわかります。もし過去を振り返り、激しい怒りや悲しみを感じたら、まだその問題が終わっていないということです。

かなり前に起こったのに、あたかも最近起こったかのような、鮮明に思い出されるトラウマも、解消されていくにつれ鮮明さを失います。そして、感情反応も穏やかになり、自分とその出来事の折り合いが自然についてきます。トラウマ事項がその人の人生の大きな出来事というよりも、人生の中の多くのエピソードの一つにすぎなくなり「ああいうこともあったな」という感じに思い出されてきます。そうなると、トラウマ、感情問題が私たちの生活を支配することがなくなってきます。

付け焼刃のポジティブ思考で、感情問題から目をそらしてしまう危険性が

感情問題が「終わって」しまうまでは、心の奥でその感情がネガティブなパターンとして私たちをコントロールしがちです。その場合、いくらポジティブにふるまっていても付け焼刃にすぎないことが多く、感情を乱されることが起きると、ネガティブなパターンが表面化してきます。実際にメンタルヘルスの問題のある人が、ただ表面的にポジティブにふるまって自分の問題を見過ごす結果となり、対処を遅らせ、症状が重くなることもありますから、注意が必要です。

不安やうつ的な状態になっている人は、「もっとポジティブになれ」とまわりからもいわれがちで、これ自体もプレッシャーになります。悲しいのをこらえて、作り笑いをしなくてはいけない場面には、誰でも遭遇したことがあると思いますが、それと同じです。それがつらいのは、自分の感情と表情がマッチせず自然な状態でないから、心がどうしても反発してしまうのです。

感情問題が解消され、「終わって」しまったあとに現れる心の楽天的な状態は、雨雲が消え、空が晴れ渡り、自然に太陽が顔を出すようなものです。これに比べ、付け焼刃のポジティブさは、暗い曇り空を電灯で一生懸命明るくしようとしているようなものです。だからといって、ポジティブになろうとすることに意味がないわけではありませんが、根本的に解決しなくてはならない状態は、はっきりと認識することが大事だと思います。

ある程度感情問題がクリアになると、今度は多少ネガティブになってもそれを振り払うことができるようになってきます。そうすると、意識的にポジティブな考え方をすることが可能になり、浸透しやすくもなります。

感情の荷物をなくしていくメリットは非常に大きいです。とりわけ、心の平和を乱している問題に関しては、解消していくととても楽になりますし、人生のあらゆる面での可能性が広がります。

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プロフィール
羽鳥美香
羽鳥美香
カウンセリング心理学修士号、アメリカ、カリフォルニア州のサイコセラピスト(心理療法士)免許(MFT)を持つ。オンライン(スカイプ・メール)/電話をメインとしたセラピー、コンサルテーションを行っている。
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