感情は気づいて導くもの

心・感情

怒りなどの感情を感じた時、最初の反応は何ですか?

怒りはよくないから、と感じないように封じ込めてしまいますか?それともすぐにかっとなって行動に出てしまいますか?

封じ込めると抑圧になりストレスになる。そして、怒りの感情をぶつけるような行動をすると、あとで後悔するような結果になるでしょう。

それならどうしたらいいのか、と思うかもしれません。

まず感情に関しては、子供の手をひいてあげるように「導く」という態度が必要です。まず自分の感情に気づき、気づくことでワンクッションおき、そこで余裕を取り戻し、そしてよい方へ導くというのが基本のパターンです。

感情を「悪いもの」と思うことも、「すべて表現するもの」と思うこともあまり私たちの利益になりません。「悪い」と思うと、それにより、罪悪感が起きてネガティブ思考や自分に否定的な考えなどの、無用な考えが出てくることが多くなります。また、「すべてを表現しなくてはならない」と思ったら、それは無理な話です。すべての感情をありのままに、すべての場において表現することが可能な人間はいません。人の心には、絶えず様々な感情が起こっています。そのすべてをいちいち表現する必要はまったくありません。

ここでカギになっていくが「導く」という感覚です。感情は基本的に反応ですから、ある意味原始的なところがあります。それを理解して、少し客観的な目を養いましょう。子供が遊んでいるのを観察する感覚です。

この客観的な目とは、批判的で裁くような目線ではなく、愛を持ったまなざしです。

裁くような視線は抑圧を招きがちですし、その反発として(裁くような考えには誰もが反発したくなりますね)、感情が爆発してコントロール不能になってしまうこともあります。ですから、この客観的な目は、愛、つまりその「子供」を助けてあげる立場にいるよ、という自分へのメッセージです。

そして、客観的になればなるほど、状況をよく判断して行動ができるようになります。

例えば、いつも抑圧傾向にある人は、自分の感情にまず気づいてあげる。そして、それを認めてあげる。このようなことが大事です。そしてそれを表現する建設的なやり方(相手に聞いてもらえるような言い方で自分の気持ちや意見を相手に表現する)が可能なら、トライする。でも、それが状況的にできなくても、まずは感情に気づいてあげることで、少しずつ抑圧のパターンから抜けていくことができます。

感情を爆発させがちな人は、まず自分の感情が爆発する、ありがちなパターンを考えてみましょう。そうすることで、似たような状況になった場合、自分で「あ、あのパターンに似た状況になってきたな」と心の準備ができます。すると、少し余裕をもって状況に接することができます。

最初から完全にうまくいくとは思わないでください。これは気づきの訓練です。どのようなことでも、新しいことを習得するのには、時間がかかります。でもあきらめなければ、大きな結果をもたらすことができますし、ものごとが以前よりもスムーズになっていくのがわかるでしょう。

また、感情を「自分」と思う必要はありません。感情というものは物事への条件づけられた反応です。一歩離れて眺めることで、良い結果が生まれます。感覚としては、自分の心に浮かんでは消える雲のようなものと思えばいいでしょう。感情は常に変化しているのです。そして、その向こうには、必ず太陽と青空がありますよ!

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