心・感情

感情を持つのに、許可はいらない

2017/08/26

感情は内外からの刺激に対して、自然に湧き上がってくるものです。自然に、というのは、川が流れたりするような、自然現象ということです。

川に流れるな、といっても流れるものは流れます。頭でどう考えて、命令しようとしても、北へ流れるべきか、南に流れるべきかで川辺で議論したとしても、川は自然に流れているのですから無意味です。それと同じように感情は必ず出てくるもので、その存在を論理で解決しようとしても無理があります。

この感情は正しいだろうか、と思う必要はありません。なぜなら、感情に正解も不正解もないからです。

感情表現には個人差があり、国や地域によっても違います。同じようなことが起こっても、人種、民族によって反応は様々です。すぐ怒るけど、すぐ忘れる民族もあれば、あまり怒らないけど、一度怒りを感じたら長期間持ち続ける人たちもいます。つまり、感情は相対的なものであり、「こう感じるのが正解!」というものがありません。

一般のアドバイスとしては、「そのような感情を持つのはおかしい」「相手の気持ちになればそのように思わない」など、感情を変えようとする言葉を聞くこともあるでしょう。それ自体は誤りとはいえませんが、セラピーは、意見で人の気持ちを変えようとするのではなく、感情の法則にのっとって、心を楽にしていく方法ですから、基本的に社会通念的な「感情に対する他人の意見」は一旦わきに置いておきます。そして、すでにある感情を批判しません。存在しているものを否定しません。

なぜなら、私たちは皆、主観的な、その人独自の世界に生きていて、その中で起こる感情は、その人にとって真実だからです。

否定は、多くの場合、抑圧を生み、ただ心の暗い片隅に押しやられてしまうだけとなります。そして、抑圧された感情は、積み重なれば積み重なるほど、大きな心の重荷となり、心の景色全体を暗くしていきます。

心のバランスを崩した時、どう感じていいかわからない理由の一つには、「このように感じてはいけない」「こう感じる自分がおかしい」という心の禁止により、強い葛藤に陥るからです。「感じる」という自然な心の働きと、「感じてはいけない」という二つの相反する力が、常に心の中で戦っているような状況です。

さらに、「感じてはいけない」と思えば思うほど、その感じてはいけない感情は反抗的に強くなる傾向もあります。

このような葛藤は大変な苦しみをもたらします。苦しみがあまりにも強くなると、心がシャットダウンして、感じるのを止めてしまう(心の防御作用の一つです)か、または感情エネルギーが外に向くと、暴力的になることもあります。

感情をありのままに認めるといっても、セラピーでは感情を煽るかのように挑発もしないし、とどめておくのがよいとも考えません。感情は持ち続けると苦しいからです。

また、感情と行動ははっきり区別されます。例えば誰かに怒りを感じたとしても、その人を殴る必要はありません。

感情に気づき、しっかり認めてあげるようになると、心の中に観察眼が生まれてくるので、感情に踊らされたり、衝動的に行動することが少なくなってきます。ただ、長い間持ち続けてきた感情は、少しずつ対処する方がよいでしょう。

苦しい感情はあたたかく見つめ、心をゆるめて癒していきます。その第一歩として、まず感情を持つ自分を認めてあげることも大切かもしれませんね。

参考記事:
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プロフィール
羽鳥美香

羽鳥美香
カウンセリング心理学修士号、アメリカ、カリフォルニア州のサイコセラピスト(心理療法士)免許(MFT)を持つ。オンライン(スカイプ・メール)/電話をメインとしたセラピー、コンサルテーションを行っている。
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