自己嫌悪を克服するために効果的な考え方

メンタルヘルス

自己を責めることにメリットはあるか考えてみる

自分を責めて自己嫌悪に陥ることは、よくあることです。まず、自分を責め続けることにはメリットがあるか考えてみましょう。

自己嫌悪になり、自分をさいなめばさいなむほどネガティブ思考に陥り、心は苦しくなり、よい行動も生まれません。よい行動が生まれないなら、自分にもまわりにもよい影響がありませんね。

誰でも失敗はあるし、改善点はあるものです。でも自分を長々と責め続ける必要はありません。もし間違ったことをして後悔している場合(例えば誰かを傷つけてしまったなど)でも、心で自分を責めて時間を費やすより、その同じ時間を人のためによいことをして、生き生きと生活するほうが自分にも社会にも有意義であるといえるでしょう。

「自分」と「行為」を切り離して考える

まず、「自分」と過去の失敗や行為を少し客観的に見つめてみましょう。自分=行為と考えると、行為がだめなら自分もだめになります。あまりに自分と行為を同一視してしまうと、次々とネガティブな自己イメージが出来上がってしまいます。この積み重なって層のようになった重い自己イメージに押しつぶされ、苦しんでいる方も多いでしょう。そうなると、「一生このままだろう」という漠然とした未来予測も始まってしまい、自己嫌悪パターンを変えるのが難しくなってしまいます。

「自分」と「行為」を少し切り離して考えてみましょう。これは自分の行為に責任を持たない、ということではありません。もちろん私たちは自分の行為に責任があります。でも、自分と行為を完全に同一化してしまうと、違う自分を描けないのです。別のよいパターンを想像できないのです。そして、私たちは自分が思い描けない状態には、なかなかなれません。

例をあげてみましょう。

犯罪を犯した人がいたとします。その人が「罪を犯してしまったけれど、自分はそんな人間ではない。これからは本当の自分に沿って、人のために生きよう」と強く思ったら、そのようになるでしょうし、社会にも貢献できます。これが「自分」と「ネガティブな行為」を切り離して考えた状態です。

反対に、同じ人が「私は悪人だ。悪人は悪人の人生しか送ることができない」と自己嫌悪しながら、強く自分と悪を結びつけてしまったら、その人は一生そのような生き方を変えられないでしょう。

考え方や行為は変えられる

実際には、考え方や行為は変えられるものです。

「自分はなんでこんなことができないのだろう」とか、「なぜ私は失敗をしてしまったのだろう」と考えることにあまり意味はありません。なぜなら過去は終わってしまっているし、自分が何かをできない理由も、完璧にわかることはありません。

「うまくいっていないパターンがあるけど、どうしたら改善できるかな?」と考えてみます。自分を責めるのではなく、想像力を使って、クリエイティブに考えてみましょう。

「自分はだめだ」という思考にエネルギーがとられると、「改善できる」とか、「変えられる」ということに考えがまわりません。考えが「変えられる」という方向にいかなければ、行動に変化もありません。その結果、「何も変わらない=自分はだめだ」という思考に再びたどり着いてしまいます。そして、その思考のループにとらわれてしまいます。

自分を責めるより、どうやって変えられるかということに注意を向けてみましょう。そして自分の考えをいくつか紙に書いてみましょう。「できない自分」にフォーカスするのではなく、「やれること」にフォーカスするのです。

セラピー/心理療法では、ステップごとに自分をさいなむ気持ちやネガティブな思考パターンを解消していきます。トラウマや強い心のしこり/ブロックがあった場合、過去の出来事が心に深く刻まれ、ネガティブに思考/ものごとの認識パターンが固定されてしまっています。すると考えを前向きにしようとものすごく努力しても、なかなか結果が出ないことが少なくありません。この思考パターンを形成しているトラウマや心のしこりを解消すると、考え方が自然に楽観的になり、自分で自分をさいなむことが少なくなってきます。育った家庭で温かいサポートを得られなかった場合も同様で、過去から現在までのまわりからの否定的な影響をテクニックで解消していきます。

参考記事:
ネガティブ思考を止める1つのテクニック
感情を手放せない理由
トラウマが心に与える影響
緊張感を解き、心をリラックスさせる方法

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