トラウマとうつの関係 1

メンタルヘルス

トラウマとは心が大きく打撃を受けることです。ショックな出来事が心に深く刻まれ、その影響に束縛されている状態です。

この状態はどのような心の症状を起こすでしょうか。

まずショックは心身を極度に緊張させます。緊張すると、不安がつのり、些細なことにでも恐れをいだく傾向が生まれます。パニック症状も出てくるかもしれません。そして、トラウマの場合は、トラウマに関連する事柄に対して敏感な反応をするようになります。

PTSDなど、トラウマの情緒障害は基本的に不安関連の障害です。

トラウマが解消されずに続くということは、その人が不安を長く持ち続けていく、ということです。心は委縮し、委縮すればその能力は低下します。体は緊張で強ばってきます。心身の緊張が続くと気が滞り、心身ユニットとしてのバランスが崩れます。

西洋医学的な見方でいえば、脳内の神経伝達物質の不均衡が起こると考えられるでしょう。そして、薬が処方されるわけです(しかし、個人の心身の不均衡を薬だけで治そうというのはかなり無理があります。実際には、不安や緊張感が解消されていけば、心身もかなり整ってくるものです。その対処をせずに薬で体の微妙なバランスに介入すると、ある症状はなくなっても、他の症状が出る、または、本来の「自らバランスを保つ」という能力が抑圧される可能性があります。一人一人の体は一つとして同じものがなく、私たちの頭では考えられないようなデリケートなやり方で体は均衡を保ち機能しているのです)。

この不安・緊張状態では、物事を「不安のフィルター」で見るようになります。そして、考え方も不安や緊張感に根差したものになります。このようにしていわゆる「ネガティブ思考」が生まれるのです。

さて、この不安に根差したネガティブ思考が常にあると、心はどのような方向に行くでしょうか。

気持ちはどうしても落ち込んできますね。そしてその落ち込み感が強くなればなるほど、うつの方向へ向かっていきます。(続く)

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