セラピー/心理療法で最も重要なのは、緊張感を解くことです。
心をリラックスすることができれば、多くの心の症状が解決します。
トラウマやストレス、不安、プレッシャーなどが重なると、緊張感を解くことが次第に難しくなり、常に緊張した状態が続いてしまうことがあります。また、緊張した状態が普通になってしまい、自分が緊張していることに気づかないこともあります。
大きな感情にとらわれることによっても、緊張感はつくられます。
怒りを感じている時、いらいらしている時、体にはどのようなことが起こっていますか?
筋肉は硬くなり、呼吸は速く、浅くなっているでしょう。
怒りなどの感情を感じてはいけないというのではありません。長くその感情を持ち続けているのが問題なのです。怒りを5分感じて終わりになるのと、1時間怒り続けるのでは大きな差があります。1時間も怒りを抱えていたら、どれだけ血圧や心臓などに悪い影響があるかは想像がつくでしょう!表面的に感じないように押し殺しても、体のどこかで感じていたり、抑圧となってあとで感情が爆発したり、心身の症状となって現れることも少なくありません。
最もよいのが、自分の感情をしっかりと認識してあげて、その感情を解き放つことです。
感情が出てくるのは自然な心の働きですが、感情に操られると心身ともに消耗してしまいます。
ストレスも同じです。何がストレスになっているのか、認識しましょう。そしてそれを解き放ちましょう。
心をリラックスさせる方法を一つ以下にご紹介します。
1. まず呼吸に注意を向けましょう。
呼吸はどのようですか?浅いですか、深いですか?
規則正しいですか?
呼吸は心のバロメーターです。
激しく怒っている時に、深く、規則正しい呼吸をする人はいません。
2. 吐く息を意識的にゆっくりと、長くしてみましょう。そのためにはいっぺんに息を吐かず、少しずつ息を吐くことが必要になります。息を吐く時に心身ともにゆるみます。このことをよく覚えておいてください。吐く息が長くなると、リラックス感も大きくなります。
3. 息を吐く時に、心の中で「リラックス」といいましょう。息を吐くたびに「リラックス」と繰り返します。
4. 「リラックス」というたびに、自分のストレスや感情が解き放たれていくのを感じましょう。例えば不安を感じていたら、それが吐く息とともに少なくなっていくことを想像してください。そして、その安らかな気持ちにできるだけひたってください。これが重要です。
「リラックス」と自分に向かっていうことによって、心がリラックスする方向へ向いていきます。なぜなら、心は注意を向けた方向に動いていくからです。
吐く息、つまり心身がゆるんだ時に「リラックス」と心の中でいうことによって、この言葉が自己暗示のような働きをします。
まずはストレスがそれほどひどくない時間帯に5分くらい練習してみるとよいと思います。あまりに感情的になったり緊張感が強すぎる時に突然やろうとしても、このような方法があること自体を忘れてしまったり、全然やる気にならないということも起こってきます。
そのため、朝の静かな時間や、夜寝る前などにやってみるのがよいでしょう。数回で効果は感じられないかもしれませんが、続けてやることで、必ず効果が出てきます。
効果が出はじめ、練習する回数が増えてくると、この方法を思い出すことが多くなってきます。すると、ストレスが起こってきた時に、「あれをやればストレスを軽減できる!」という方向に考えが向くようになっていきます。そうなると、この方法を実際に緊張している時に使えるようになります。
普段から「吐く息を長く、ゆっくりと」ということを意識していると、日常生活の中で、心を落ち着けるのに大変役に立ちますよ!