脳を休め、思考過多を防ぐ

心・感情

思考というものは、ものすごくエネルギーを使います。パソコンでの作業や頭を使う仕事をして、体を全然使っていないのに、異常にお腹が減ったことがありませんか?そんな時、特に女性は脳にすぐエネルギーとなる甘いものを欲することも多いですね。脳を休めなくてはいけないサインです。

仕事で頭を使うのはしようがないにしても、それ以外の時は少し選択の余地があるのではないでしょうか。

頭を使い過ぎることの弊害

私たちは、感覚器官から得た情報を分析して、常時様々な思考や感情を作り出しています。感覚への刺激が強いと、それがトリガーとなり、関連した思考が次から次へと出てきます。

考えれば考えるほど何か役に立つことをしているのではないかと思いがちですが、実際にはその反対です。

脳が白熱し、思考過多になっている時は、多くの場合、同じような考えが堂々巡りをしているだけで、建設的な思考を作り出していません。早いスピードで不安を煽る考えが出てくるなどは、一種のオーバーヒートのようなもので、ストレス反応でもあります。このような時の自分の考えをすべて信じて行動に移すより、まず心を落ち着けることが必要です。

心を落ち着けるとは、脳を休め、自分の強固な考えをゆるめることでもあります。その時に出てきた余裕が、私たちに大きな利益をもたらしてくれます。

自分の心の議論に参加しない

自分の思考が白熱してきている、と感じてきたら、そのまま考え続けず(火に油を注がず)、少し考えを休めてください。突き詰めて考えず、心身をリラックスしてください。休めよう、と気づくだけでも、「白熱」状態がおさまってきます。

また、呼吸に意識をもっていき、腹式呼吸をすると、頭に気が上がっていたのがお腹に下がり、白熱した思考を休めるのに効果的です。

休める、ゆるめる、ということは考え・感情を抑圧して見ないようにすることではありません。ある考えが心にあったとしても、それがそこにあるままにまかせます。しかし、その心の議論に参加もしないのです。

道を歩いていて、人が口論をしていたとします。普通私たちはそれを見ても、巻き込まれないように過ぎ去るでしょう。つまり、気づいていても巻き込まれていないのです。

それと同じように、いろいろな思考がわいてきたとしても、それを少し客観視して、巻き込まれないようにしてみましょう。これをするだけで思考の量は減っていき、それに比例して気持ちも落ち着いていきます。

友達が自分に興味のない話題を議論していたら、適当に受け流したり、話題を切り替えたりすることがありますね。そんなイメージで、自分自身の考えをかわしてみるのもよいでしょう。

自分自身に、「ふーん、そんなこと考えてるんだ。でもちょっと休んでお茶でも飲んだら?」と言ってみるのも一つの手です。

思考をゆるめる効果

ただ、そう簡単ではありません。頭を使う訓練はさほど難しくありませんが、私たちは刺激に自動反応してあれこれ考える癖があるので、使わない訓練はかえって難しいのです。

この刺激・トリガーに自動反応するのがいわゆる「衝動」です。衝動的な行動を変えるためにも、このような訓練はとても有効です。なぜなら、よく観察すると、普通人間は行動をする前になんらかの思考や条件づけがあってはじめて行動します。思考を見つめ、ゆるめていくと、衝動も薄れていきます。

ゆるめればゆるめるほど、余裕、つまり心のスペースが大きくなり、自分のエネルギーが戻ってきます。考えすぎがいかに疲れるものかはっきりとわかってきます。

余裕があり、リラックスした時に自然に思い浮かんだことは、アイデアとしても、ものの見方としてもよいことが多いです。思考が少なくなればなるほど、思考が純粋になり、質がよくなってくるのです。

忙しくし過ぎない

「忙しい」ということは、それだけ自分を刺激にさらす可能性が高くなるということですから、脳も興奮状態となり、思考過多に陥ったり、ある種の考えをスイッチオフにできないなどということも起こってきます。

また、パソコンやスマホは便利ですが、どこでも誰とでもつながれるということで、私たち脳はさらに忙しくなってしまいます。すぐに返答しなければいけないというプレッシャーを感じ始めたら、これらのものから恩恵を受けているというより、縛られている、といったほうがいいかもしれません。

時には、一日パソコン、スマホ、電話を使わず、日常の煩わしさを忘れ、ゆっくりと自然の中を歩くと、自分本来の感性がよみがえってきます。精神を落ち着けるような音楽を聴く、自然を感じる、花を愛でる、味わう、など、感覚にフォーカスすると、思考も少なくなります。

メンタルヘルスと思考過多

うつ、不安、パニックなどの症状がある場合、その症状に関連した心を苛む一連の思考がいつもどこかに存在しています。脅迫的な考え方、思考過多の状態に陥ることも少なくありません。

その場合、症状をセラピーで解消すると、症状に関連したの思考も自然に薄れていきます。考え方自体が徐々に健康的なものに変化し、思考の偏りも少なくなっていきます。

参考記事:
気分改善のためのアドバイス
心のオペレーションシステム
突然襲ってくる不安を理解する
よい(肯定的)思考を育むには1
ネガティブ思考を止める1つのテクニック
心身の緊張感を解くのが大切な理由
緊張感を解き、心をリラックスさせる方法
腹式呼吸で気分を改善する
トラウマが心に与える影響
心と感情を癒し、浄化する瞑想法
自分に帰る静かな時間を持つ
感情は気づいて導くもの

コメント