トラウマ解消は今を生きることにつながる

メンタルヘルス

過去を手放せない、ということをよく聞きます。
“今”を生きていないという感じがして、現在起こっていることに注意が散漫になったり、やらなくてはいけないことに気を配れなかったり・・・。

どうして、そのようなことが起こるのか。

何か大変つらい出来事があると、そのトラウマが大きくのしかかり、終始心をさいなんでいる状態になります。そうすると、エネルギーがみなそちらにとられてしまい、そのためにどうしても心を”今”に向けられなくなるのです。

トラウマは突然の出来事であるかもしれないし、家庭状況など長期にわたるものであるかもしれません。

小さなけがだったら簡単に治るけれど、大きなけがだと慢性的な症状になり、体全体の健康に影響するのと同じで、大きな心のトラウマは、心全体の働きに影響します。

トラウマは強力に心のパターンを形成し、考え方、感情すべてがそのフィルターで反応し始めます。
現在の心の状態がそのトラウマに終始リンクされた状態になるのです。

そして、このトラウマの反応は感情面での反応だけではなく、体の反応としても感じられます。ですから、パニックなどの時、鼓動が速くなったり、呼吸が苦しくなったり、ということがあるわけです。心と体は切り離せません。つまり、その人の存在全体が影響を受けるということです。

自分で「このくらい大丈夫」と思っていることが案外心に深く刻まれ、自分の気持ちを暗くしている原因であることもあります。トラウマになっていたにもかかわらず、気持ちを見つめずに押し殺してしまい、トラウマ反応がいわばバックグラウンドにいって、心を重苦しくさせる、というような状態です。

うつなども、トラウマが原因であることが多いです。長期にわたる繰り返されたトラウマ、解消されていないトラウマが、落ち込み、自信のなさにつながっていきます。

トラウマの経験からつくられた思考は、ネガティブな条件付けとなり、私たちの行動、感情をしばります。

このように、トラウマは私たちの心に大きな影響を及ぼしますから、これを解消していくことで、心をリセットして、機能を回復していくことが可能となります。すると自然と、心が過去でなく今、そして未来の計画へ向いていく余裕が出てきます。

 

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