心の問題のとらえ方

心の問題のとらえ方

心に何か問題を抱えている時は、とにかく早く解決したいと思い、なかなか他の事に目が向きません。

でも、すべての心の問題は精神・魂の問題につながっています。何かつらいことがあったり、人生に疑問を感じたりする時、ただそれを解決しようとするだけではなく、大きな視点から、私たちが生きていることの意味を考えてみましょう。

人生においての苦しみや問題は決して無駄ではありません。今まで見過ごしていた重要なことを教えられたり、導いてくれることもあります。つまり成長の糧となるのです。反対に現在の苦しみをただ嫌ったり、苦しんでいる自分を責めることで、自分自身を阻害すると、さらに苦しみは大きくなります。

そのような観点から、私は精神的問題を病理学的立場のみで見ることを好みません。なぜなら、「病気」「異常」と考えるだけでは、その問題が持つ「成長の機会」という恩恵の部分を無視してしまうからです。これは、もちろん、現在の心の症状を放置すればいい、という意味ではありません。

症状は、私たちが育った家庭や環境から植え付けられた思い込みや固定観念、その人がもともと持つパターンに多かれ少なかれ関係しています。そしてそれを改善していくことにより、間違いなく人として以前より楽に生きられるようになります。また、自然な自分になるにつれ、個人としても自然な成長をしていきます。苦しみを乗り超えた経験は、必ず血となり肉となり、その人の強さになってくれます。