本当に「もうダメ!」?自暴自棄の抜け出し方

メンタルヘルス

誰でも自暴自棄になることがあります。もうだめだ、行き詰まった、終わりだ、なすすべがない、など、自分の人生が閉ざされたように感じたりしますね。でも、本当に何もできないのでしょうか?実際には、できること、解決の道もあるはずです。今回は、行き詰まった状態をどうやって抜け出していくかを考えてみましょう。

ただし、「もうダメ」と思う時には、今やっていることが無理すぎるということもあります。例えばあまりにハードなスケジュールで体が悲鳴をあげているなど。その場合はやめる、というという選択肢が必要なこともあります。ここでは、精神的に自分を思い詰める傾向を変えて行く提案です。

まず自分が自暴自棄になっている、ということに気づく

自分の精神状態を変えるには、とにかく「早く気づく」ということが不可欠です。これにより、深くはまらずにすむようになります。深くはまればはまるほど、抜け出るのに大きな努力とエネルギーを使わなくてはいけなくなります。ぬかるみにはまってしまった時、浅いうちは楽に抜けられるけど、深くまで入ってしまうとなかなか抜けられないのと同じです。

自分が「自暴自棄になっているな」と思った時、すでに自分を客観的に観察しています。自暴自棄のパターンに巻き込まれてまっただ中にいる状態から、一歩下がって見つめている状態に変わっています。

自暴自棄になっている自分の苦しみを認めてあげる

自分に「ものすごく苦しんでいるんだね」と声をかけてあげましょう。行き詰まっている、ということは相当の苦しみを抱えているということです。まず自分がわかってあげましょう。

同時にこのように自分に言うということは、ある程度自分の気持ちを客観的に見られるということですので、少し心に余裕が出てきます。

感情を持つのに、許可はいらない
感情は内外からの刺激に対して、自然に湧き上がってくるものです。この感情は正しいだろうか、と思う必要はありません。なぜなら、感情は相対的なものであり、正解も不正解もなく、その人にとって真実だからです。

自暴自棄になっている理由を考える

混沌とした心の状態を続けるのではなく、整理してみましょう。例えば、仕事がうまくいっていない、家族との不和がストレスとなっている、病気でつらい、などと、原因をはっきりさせてみましょう。自分の問題をはっきりさせることで、深く自暴自棄にはまるのを防ぎます。この時、頭で考えているだけではなく、書き出してみることが助けになるかもしれません。

一つ一つの問題について、具体的な解決方法を考えてみる

個別の問題について、何ができるか考えてみましょう。紙に書いてみるのもよいです。

自暴自棄の時には、「何もできない。八方塞がりだ」などと考えがちです。しかし、本当にそうでしょうか。自分の考えに疑問を持ち、問いかけてみましょう。だいたい何かできることがあるものなのです。

また、ここで、自分が無理をしている、と思ったら、やめようと判断したり、自分のやっていることを見直し、改善や修正ができるか考えてみます。自分で解決できない、と思った場合には、家族に助けを求めたり、医師や専門家、心理問題ではカウンセリング/セラピーを受けることも視野に入るでしょう。

自暴自棄にどっぷりつかってしまうと、神経がある意味興奮状態ですので、そのままとどまりたいかのような、妙な誘惑があります。そして、それ以外の見方や建設的な考えをよせつけない傾向があります。しかし、そのままにしておいては、深く自暴自棄の世界に入り込んでしまいます。

一息ついて、興奮を鎮める

どうしても冷静になれない場合、いったん中止して、深呼吸をしましょう。呼吸には心を鎮める働きがあります。心が静まると冷静になりやすいものです。冷静になると、物事がよりはっきり見えてきます。

この時、コツは吐く息をしっかりしてから吸うと深い呼吸ができます。興奮状態により、自暴自棄的思考を続けたい気持ちが出てきて、「深呼吸なんかしたくない」と思うかもしれませんが、ここで気を静めないと、自暴自棄のパターンにのみこまれてしまいます。

また、自暴自棄の状態を抜け出したいと、強く思い、決定するとよいでしょう。そうすると、それが抜け出す原動力になります。

人間はえてして、「もう自暴自棄でいいや」と無意識に心で自分に許可を与えてしまっていると、そちらの方向に行きやすくなります。反対に「そうなりたくない」と思っていると、自分で自分の状態に早く気づき、対処する方向に向かいます。

5分から10分呼吸のみに集中すると、心が落ち着いてきます。

運動をすることで、自暴自棄の思考を打開する

呼吸以外の方法では、運動をすることも有効です。この場合、できたら少し動きのはやいもの、エネルギーを使うものを選ぶといいと思います。例えばゆっくり歩くより、速足で歩いたり、走るとより効果的です。というのは、自暴自棄の思考のままゆっくり歩くとことはできてしまうのですが、早い動きだと、思考をそのまま続けるのが難しくなります。また、体のエネルギーが良く巡回すると、気持ちもさっぱりします。

ヨガや気功の動きは逆にゆっくりとしていますが、気を鎮める働きがあるのでこれらも助けになります。

運動は不安、うつ、パニックなど、あらゆる精神的悩みに効果的
気分を改善したい時には、体を動かす、運動することがサポートになります。運動の精神的効果は科学的にも証明されています。

セラピーでは鬱屈した感情を解消していく

セラピーでは、自暴自棄の状態を、鬱屈した感情が慢性化してしまったものととらえます。ですから、その苦しい気持ちを開放していくことで解消していきます。それにはイメージ療法や、心身のつながりを重視し、体のつぼを使ったEFTやシーモーグ・メイトリックス・ワークなどのいろいろな療法がありますが、話すだけで楽になることもあります。

深く苦悩していると、なかなか自分で自分を客観的に見られず、苦悩が解決できると信じられないのです。そうすると、苦しみのスパイラルに陥りがちなので、今自分がどのような状態にあるのか、どうしたら解決できるのか、指し示してくれる人、勇気づけてくれる人が必要な場合があります。例えば知らない道で迷ったら、どんなに足腰が丈夫で歩けても、目的地が近くても、堂々巡りをするだけになるかもしれません。そんな時、やはり道に通じている人に聞くことになるでしょう。それと同じような状況です。決してあきらめないでください。

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